第177章

大島莉理は穏やかに諭した。

「変に考え込まないで。これはこっちで処理する。あなたは戻って、仕事に集中して。これから扱うデータは全部、二度とミスが出ないように確認して」

遠藤凛は、それ以上、何も聞けなかった。

魂が抜けたように社員エリアへ戻る。ちゃんと仕事をしよう、と自分に言い聞かせても、手が動かない。モニターに並ぶ数字の列を見ただけで、胸の奥が拒絶する。

怖かった。

また間違えるのが。たった一桁、たった小数点ひとつ――それだけで。

その「結果」を、彼女は背負えない。

大島莉理はオフィスへ戻ってから、ずっと姿を見せなかった。夕方、退勤の時間が近づいても、彼女は出てこない。

田中...

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